『欲しがりな唇』/藤森ちひろ

欲しがりな唇 (プラチナ文庫)

欲しがりな唇 (プラチナ文庫)

小説家を新規に開拓するぜ!と意気込んで購入したものはいいものの、見事に失敗した本作。そもそも、プラチナから探すこと自体が過ちであった。でもプラチナ文庫って無駄にキラキラしてて嫌いじゃないんだよな〜、このノリ。
内容はステロタイプのトラウマチック受たんが、エロエロな攻に開発されて好き放題乱れていくお話です。プラチナならプラチナらしく、もう少し性描写に気合を入れて欲しかった。文章はまともなのですが、設定があまりに凡庸。小説家が小説家を描くというのも、よほど巧い作家でないと、ちょっとお寒い感じになってしまう気がします(榎田尤利の『ロマンス作家〜』はちょっとおサムかった。あと和泉桂の『罪』シリーズも。あと、藤崎都の『官能小説家』もおサムかった)。キャラクターの個性もいまひとつ立っていないような気がするし、全体的に私の好みとは合致しませんでした。
あと、いつも思うんですけど、門地かおりのイラストは個性が強すぎるので、あまり挿絵には向かないと思う。でも、この人は斬新な体位や構図を描いて独特のムードある挿絵を描くので、個人的にこの人挿絵の新刊が出るとついつい手にとって濡れ場の挿絵を総チェックしてしまう。