『温室育ちの恋』/鷺沼やすな

温室育ちの恋 (アクアノベルズ)

温室育ちの恋 (アクアノベルズ)

参書評ブログで絶賛されていたので手にとってみた一冊。基本的にBLに関しては他人の書評はまったく参考にならないことは重々わかっているけど、なんか興味をそそられる紹介のされかただったので。鷺沼×蓮川コンビは、同人誌で一度お目にかかったことがある。けっこう、いいコンビだと思う。

どことなくJuneなかほりのする作品だった。
この小説ははじめ受と攻が逆だったときいて驚いた。絶対主人公受のほうが正しいと思う。別にどうということもない出来事が起きる普通の小説なのだけれど、攻のキャラクター造形が興味深かった。というよりも、受の攻に対するシビアな視点がきちんと描写されているところが興味深かった。この受は、BL系によくある「流され系の受」には絶対に成り下がらない。不思議な頼もしさを感じる受である。

攻視点のお話も読んでみたかった。