『仔猫のワルツ』/南原兼

仔猫のワルツ (ラピス文庫)

仔猫のワルツ (ラピス文庫)

ボーイズラブ読みとしてのステップアップ↑をはかるため、さりげなくチャレンジしてみた一冊。ナンバラン先生といえば、挿絵は桃季先生 or 明神先生というイメージだが、そのハジけた画風に本能的な恐怖感を覚えたため、ここは漫画を幾度か目にしたことのあるみなみ遥てんてー挿絵の作品をチョイスした。その判断は正解だったように思う。みなみてんてーの絵、画面に荒いところがなくて綺麗だし。

小説の内容については特にコメントすることがない。手を変え品を変えシチュエーションを変えて、おキチクな攻様と可憐な美少年がひたすらエッチに励むお話。話の筋はあってないようなもので、エッチを基準に話の節が分けられているような印象すら受ける。こういう意思の弱いタイプの美少年受はちょっぴりというかかなり苦手だ。しかも小学生でもないのに生足出すファッションは男性としてどうかと思う。

ひとつ笑ったのが、変わった方法でエッチをしたがる攻に対して受が「どうして普通にできないの?」とたずねるシーン。「普通にできない」という表現が攻の欠陥を指摘しているようで妙に笑えた。もっとも、これもナンバラン先生流の受の無垢さの表現なのかも知れないが。

ただ、あとがきとプロフィールに関しては一読の価値があると思う。「おキチク&胸キュン推奨」て! 「地球に優しい」て! 「108人の守護霊」て! ナンバラン先生、いや、ニャンバラン先生*1から繰り出されるエキセントリックな語彙の数々に、思い切り笑わせていただいた。このプロ意識の高い電波っぷりにはシビれるものがある。あとがきのノリに敬意を表して、極めてポジティブな意味合いの★1つを、謹んで進呈させていただきたいと思う。

*1:ニャンバラン先生の公式ページのプロフィールには、南原兼のお名前のヨコに「にゃんばら けん」とフリガナがふってある