『純潔の愛人(コイビト)』/水月真兎
- 作者: 水月真兎,佐々木久美子
- 出版社/メーカー: 白泉社
- 発売日: 2005/11/18
- メディア: 文庫
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借金のカタに美少年が売られていく話というのは『お金がないっ』以降生まれたBL王道なのだろうかとぼんやり思っていたら、あとがきに「借金のかたに買われた純真無垢な少年のお話」は「BLの王道的テーマ」と書かれていた。『お金がないっ』以降に生まれたのかどうかは知らないが、私の知っているBLの王道は「強姦されて憎んでいたはずの攻をいつの間にか好きになってしまう受」というフジミ的展開なのだが、この王道はもう古いのだろうか。この二つの王道の比較について語りたいのだが、長くなるのでまたの機会に。
受がウジウジしすぎだった点と、濡れ場になると途端に16歳から6歳へと幼児退行する(「×××××」呼びは萎える…)点を除けば、それなりに面白く読めた。王道というのはどんな人が書いても「それなりに面白く読める」から王道なのだろう。花丸文庫の挿絵の数もなかなか適量だと思う。