『何でやねん!』1巻/久我有加

何でやねん! 1 (ディアプラス文庫)

何でやねん! 1 (ディアプラス文庫)

うほっさわやかやおい…。なんてさわやかなんざんしょう…。

主人公の受たんは、子ども時代、関西弁が原因で東京の学校でいじめられた。生来の言葉を笑われた受たんのトラウマは深く、高校生の今でも笑うこと、笑われることを異常に嫌悪している。そんな受たんにイケメンの攻がいきなり「漫才の相方になってくれ〜!」と強引に迫ってきて――!?
包容力あるかっこいい攻(ボケ)×トラウマ持ちのツンデレ受(ツッコミ)の、「漫才ときどきラブラブ」な成長物語。

という感じのお話。
●さのあつこ先生の某『M●NZAI』を彷彿とさせるストーリーです。特に受たんのツンツンっぷりと、普段はのらりくらりとした攻が持ち合わせる異常なまでの包容力が重なる。この攻、若さのわりに包容力ありすぎだわ…。若年層向きの『MAN●AI』よりは、登場人物達が大人で、特に受たんが男前な感じですごく好感が持てました。
ところで私、基本的に芸人さん同志でやおるならボケ×ツッコミが好きです。ツッコミ×ボケの場合、見ていて多少辛いです。なぜならツッコミはボケに対して容赦ないことが多いからです。あと、個人的に、ツッコミ役には「視聴者を代表して突っ込む」役割を期待しているので、しっかり者&常識人であって欲しいと思っていて、そういうタイプの受たんが好みだからかもしれません。
受の相川くんはトラウマを持ちこそすれ、キックボクシングとかやってて、一度は攻を蹴り上げてアバラを折るwことまでしていて、暴れ馬っぷりが素敵でした。狂暴な受いいわ。だから山田ユギ先生の挿絵もばっちりはまってます(昔のユギたんといえば狂暴受)。
多少改行が多いように思いましたが、文章も読みやすく、ディアプラスらしいさわやかな恋模様を堪能できました。なめらかな関西弁含め、文章がいいです。ストレスフリーな読書でよかった。あと挿絵のユギたんが神画風。ユギたん神時代の挿絵です。個人的にお笑いモノは難しいと思っているので、テーマとしては好みにドンピシャではありませんでした。だって、漫才をする当人同士の会話が粋で面白くないと、なんか説得力なくなってしまいますよね? そういう意味でお笑いモノは難しいと思う。これはいい感じだったので★は4つにしました。