『ホテル・ラヴィアンローズ』/高遠琉加

とあるホテルを基点に展開される、オムニバス形式の小説です。
どの話もよかったし、カップリング的にも「なんかこの二人いいじゃない。」と素直に思えたんですが、いかんせん短編的にまとめられているため、掘り下げが足りず、どうにも物足りないような気がしてしまいました。50%の力で2カップルをとりあげるよりも、100%で1カップルの愛を追求したほうが、萌えると思うんですよね。

そもそもボーイズラブ作品って、ハッピーエンドばっかりだし、短編集とか少ないし、死にネタとかもあんまりないですよね。それって一見工夫がないようにも見えるし、ワンパターンでつまらなく思えるかもしれないけど、そーいう縛りがある中でも面白い作品を生み出せるってすごいことだと思うし、私はボーイズラブに癒されたい、面倒くさいことなしに萌えさせていただきたいと無意識に期待をかけている派なので、オムニバス形式はボーイズラブに馴染まないんじゃないかなぁと勝手ながら思いました。
でも作家さんもいろいろな形の作品を追い求めていきたいのだろうと思うし、高遠先生は好きな作家さんなので、この作品を全否定することはしたくないです。でも私には合わなかった…。多分そういうことなのだろうと思います。

どうでもいいけど、ボーイズラブ作家さんが、あとがきなどで「絶対ハッピーエンドにしますから!」「ちゃんとラブラブにするから安心してくださいね」などと書いてくださってると、なんかすごいなぁと思ってしまいます。まぁでも確かにラブラブはだ大事ですよね。私は男同士に限らず、人と人が仲良くしている様子が好きなので、ラブラブ大好きです。