『スノー・ファンタジア』/うえだ真由

スノーファンタジア (ディアプラス文庫)

スノーファンタジア (ディアプラス文庫)

砂原糖子さんの『言ノ葉ノ花』の感想をアップした際におすすめいただいたもの。なにやら不穏な(?)コメントとともに紹介いただいたのですが、普通によかった…と思ってしまった私はセンスがおかしいのでしょうか…!
確かにこの受たんのとった行動と、それがバレたあと攻がアッサリ出した結論には「えええええええええええええええええええ?」とは思いました。しかしながら、ディアプラスらしく清潔で、衒いのないうえだ先生の文章に非常に好感が持てたのと、ベタな展開好きゆえ、途中まで普通に切なくて涙しかけた自分の単純さも相まって、★4つを進呈(誰もいらねぇだろうが)させていただきたいと思います。いや、ほんと普通に切なくてよかったと思うんですけど…わたしっておかしいのかしら…。攻もまともないい人だし。と思ったら最後ピロートークで現実的な話をし出してビビりましたけど。「政治家の娘だからとか、そういことじゃない。あの一瞬の間があるかぎりオレたちだめだった」みたいなことを言うんですが、その一瞬の間は彼女が政治家の娘だからこそ生まれるものだと思うんですが…?普通の家の普通の女の子だったら、この攻は黎子ちゃんを選んでいたんでしょうね。そのへん、ちょっと現実的でびっくりしました。それにしても黎子ちゃんかわいそうだな…。BLに出てくる「元恋人」って大抵、自己顕示欲強くていやな感じのタイプが多いと思うんですが、黎子ちゃんは普通にいい人でしたね…。ていうか登場シーン少なかったね(泣)。それにしても、受の名前「里央(りお)」ってものすご「BLネーム」ですね。女の子みたい…。

後半、自分でも不可解な萌えツボ「別れ話」シチュエーションが出てきたので一気に萌えゲージがUP↑↑↑。攻からの別れ話ってどうしてこんなに萌えるんだろう。別れ話萌え。うえだ先生のほかの作品も読んでみたいとおもいました。あさとえいり先生のセンシティブな挿絵もマッチしていてよかったです。個人的には文体が整っていて砂原先生より好みです。