『BABY BITCH!』/井ノ本リカ子

Baby bitch! (ダイヤモンドコミックス)

Baby bitch! (ダイヤモンドコミックス)

なんとも後ろめたい気分にさせてくれる1冊。この中身を両親's(『ママレード・ボーイ』的言い回し)に見られたら、私の未来に光はないだろう。家宅捜索される際には、一番に燃やしたいブツかもしれない。
基本的にボーイズラブ作品には濡れ場の濃厚なものが多いし、「どれ見られたって同じジャン」って感じではある。だがしかし、なんとなくこの本は、後ろめたい。もうめっぽう後ろめたい。

井ノ本先生は男性向けのジャンルでも活躍されているかたらしい。このBL本も濡れ場の描写は男性向けのそれと変わらない方法論で描かれている気がする。女性とは違って男性は、「アレが、ドウなって、コウなる」のか、きちんと視覚的に理解して興奮する性質があるのかしら、と思う。一時期男性向け同人誌をネットでDLして読みまくってた時期があったんだけど、断面図の描写が出てくるたびそう思った。中田氏描写で、ひんぱんに断面図が出てくる。そのモノが女性の体の奥にどう届いていて、そこから発されたものがどこに着床して、みたいな、そーいうことが見て取れる図と考えてもらえればいいと思う。それで「らめ〜ころもがれきちゃう〜(だめ、子どもが出来ちゃう、の意)」とかなんとか雄たけびながら、オッパッピーに肉体を接合させることを楽しんでる、みたいな。そーいうイメージです。もちろん男性向けすべてがこのノリではないんだけど。

なんか、下品ですみません。
断面図の文化は、女性向けのあいだでは流行らないだろうにゃ〜と思う。なんとなく。井ノ本先生の漫画には断面図は出てこないんだけど、喘ぎに混じるハートマークとか、擬音とか、空気のふるえの描写とか、全体的に男性向けっぽかったです。あと迷いも衒いも隠しもない性器描写。ふつーのやおいっ子は、ここまでブツを見たくないと思うんですよね。しかもアップで。性器接写って男性向けっぽいです。まぁ、これはこれでいいんだと思う。今後も独自のエロ本路線を突っ走ってほしいと思います。