『脱がない男』上巻/木原音瀬

いろいろ面白かった1冊。木原音瀬ってほんと面白いなー。なんでこの人の描く人間ってこんな夢ないんだろ。
この攻がとった行動を受け入れられるかどうかは、読み手によって意見が分かれるところでしょうね。私はアリだと思いました。なぜならこれは木原音瀬の攻だから。確かに初読み作家の作品でこんな攻に出会ってたら「こんなんが読みたくてBL読んでんじゃねえんだよ!」とキレてたかもしれません。でもこれは木原音瀬の攻だから。しょーがない。相手の身体的欠陥をたてにゆすって仕事で自分の意見を通すなんて人間じゃない!と思うけど、「なんかもう、いっか。だって木原音瀬だし」みたいな。この人の本を読むたび、「あー全然萌えないけど、まーいっか。だって木原音瀬だし」といつも思ってなんだかんだ面白く読んでいる気がします。

この課長は俗に言うツンデレなんですかね? 私、課長が「アンナ…」と呼ぶシーンで非常にドッキーンとしてしまいました。ここだけ萌えた。

とりあえず、この本がBLとしての形をかろうじて保てているのは、挿絵の志水ゆきの力によるところも大きいと思いました。はー。読者に「まぁいっか、木原音瀬だし」と思わせながらも読ませる木原音瀬はすごいですね。早く下巻が読みたいです。近々、リブレから新装版が出るとか出ないとか。この人の本はまんだらけで異常な高値で売られているので、BL出版社に少しでも良心があるのならなるべく版を切らずに長く売り続けてほしいものです。
楽天は同人誌の書影も出るのか。というかコミコミスタジオか。
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