『普通の男』/榎田尤利

普通の男(ひと) (クリスタル文庫)

普通の男(ひと) (クリスタル文庫)

世間では非常に評判がよいのに、読了することができなかった判定不能作品。
その理由ははっきりしている。自分がこの作品の受と似たような仕事をして毎日ヒーヒー言わされているからである。BLは自分にとって完全に現実逃避、癒しのために読むものであるから、とにかく読んでいる間は現実を忘れたい。だから、この作品で営業がどうの書店の流通がどうの企画会議がどうのDTPがどうのデザイナーがどうのとか言われると、「もうやめてーーー!」という気になってしまった。あーあ。良質のBLを読めない体質になってしまうなんて…。はぁ。

あとひとつ、非常に気になった点があった。「いまどきDTPもこなせない編集者なんて…」というような記述があったように記憶しているのだが、それはどうか。確かに、時間とつねに闘っているような雑誌などの編集部では、文字の流し込みを自分でやっちゃってる人もいるみたいだけれど、ふつう、編集とDTPは分業してしかるべきものだと思います。じゃないと、確実に誌面デザインのクオリティが落ちるような気がします。なかには全部自分でやっちゃうスーパーマンみたいな人もいるらしいです。あと、最終的に編集者になりたくて、その下積みとしてDTPデザイナーになる人もいる。確かにDTP関係の知識は編集者にとって必須といえますが、別に自分自身でPCいじってどうこうこなせなくっても、いいと思うんだけどなぁ。この作品で言っていることはそういうことじゃないのかなぁ。うろ覚えなので、記憶が間違っていたら申し訳ありません。榎田先生って確か前は出版関係のお仕事されたんでしたっけ。じゃぁ私の認識のほうが間違っている可能性が高いなぁ…。ていうかこういう突っ込みは野暮ですか?

そんなこんなで判定不能でした。