『官能小説家』/藤崎都

恋花は微熱に濡れる (ダリア文庫)』を読んで、「はて。他のかたは着物の場合の下着はどう描くのじゃろう?」と気になったので購入。カラー口絵できわどい(くんずほぐれつしてて着衣がほどけかけている)シーンが描かれていたのですが、蓮川先生は下着をうまいこと描かないようにしてました。ていうかこの場合もともと受たんが下着を着けていなかったのですけど……。うん。ボーイズラブとしてはこれが正しい気がする。


肝心のストーリーですが、いやーーーこれでもかっちゅーほどボーイズラブ的な要素を突っ込んだ感じですねー。
・受の一人称でストーリーが進む。
・受の長所=頑張り屋さん。ほかにこれといった特徴がない。
・受は女顔。それが少しコンプレックス、かつトラウマの原因になっている。
・攻が超絶かっこいい。
・お互いにお互いが初恋の相手。
・出会いがしらにキスされる。
・「キスされて…いや……じゃなかったよな…?」
・受が攻の仕事を邪魔してしまうような事件をおこす。
・その代償として身体を要求される。
・肉体関係に溺れる。
・「●●の代わりに抱かれるなんてもうたくさんだーーーー!」
・受逃げ出す。
・受にちょっと気のあった先輩が受を襲おうとする。
・攻が助けに来る。
・いろいろあってお互い初恋の相手だと分かる。
・盛り上がっておちまい。


いやーーーもうこーいう流れのおはなし、何回読んだかわかんねっす。確かに私は王道好きよ?王道好きなんだけどさ、なんつーか、こう、あまりに井村ヒトミンちっくだった。受たんが。井村先生の場合は「こーいうモンだ」と思って読んでるからいーんだけど、この作者さんの場合はこれが初挑戦作だったから面食らっちまっただよ。受の一人称で話が進んでいくから地の文が過剰にくだけているのも、少し気になる。というわけで★は2つです。