『恋は上手にあどけなく』/崎谷はるひ

恋は上手にあどけなく (角川ルビー文庫)

恋は上手にあどけなく (角川ルビー文庫)

なんか最近はるひてんてーの感想ばっかり書いている気がするんですが…。今年に入って5冊目?4冊目でしたっけ。すごいペースだなぁ。
気を取り直して、シリーズ完結編です。焦らして焦らして、最後に爆発。花火大会の残り五分間のラストスパートのごとく、例のものが延々超盛り上がってて感動した!受たんの感度10倍!いや、100倍!「やっぱりこれがなきゃはるひてんてーの小説読んだ気しないよね!」というわけで楽しかったです。良かったね…志澤さん(しみじみ)。先生ご自身もあとがきで仰っていますが、これって志澤さんの物語ですよねぇ。私、藍たんの方がよっぽど強いと思ってしまうのですが、どうなんでしょう。イノセント受。純真であることって最強だよなぁと思う今日この頃です。イノセント攻ですわ。
前にも書いたのですが、私は学校の教師のような口調の攻が好きです。普段「年下攻最高すぎる。ハァハァ。」なんて言ってる割に、年上らしい保護者のような気遣いある攻も好きなのです。保護者攻好きだなぁ。なので、志澤さんは攻としてなかなかツボなのです。はるひてんてーの攻って、かっちりした不器用さんタイプか野性味溢れる器用貧乏タイプかに大きく分けられると思うんですけど、野性味溢れるタイプの攻様はあまり小説らしい台詞を吐いてくれないのですよね。くだけた口語体というか、若者言葉というか…。それもリアリティーがあってよいのですけれど、私は小説における若者言葉があまり得意ではないので、志澤さんタイプの攻様を推します。

今回話の展開は私の苦手な芸能界ネタが絡んできて、もう受たんモテモテだし、全体的に表現が冗長な気もしたし、おうおう少しつらい…と思ってはいたのですが、まぁそこはカップリング萌えで乗り切りました。面白かった。この二人でもっと普通の話が読みたい。普通の同居もの。

それにしても、はるひてんてーって不思議な言葉をひらくよなぁ。なんで「美しい」をひらくんだろう?「人」をひらがなで書く人は多いし、そっちは何となく分かるんだけど。「べつ」とか「ほか」とかもひらきますよね。「わいせつ」もひらいていらした。でも「猥雑」は漢字だった(笑)。何だろう、きっと何かこだわりがあるんだろうな。今回美術作品がたくさん出てくるだけに、形容で「美しい」が超連発されていたので、そのひらがな具合が気になったのでした。でもこれは作家さんのこだわりだろうから、言ってもしようのないことなんだけれど。

高永先生の挿絵は相変わらず「糖度120パーセント!ハッピーカーニバル!」って感じで良かったです(笑)。高永先生の描かれた表紙を並べると、二人の関係の変遷が見て取れるんじゃないでしょうか。
せっかく志澤さんのジェラシーストームが吹き荒れた完結編だし、★は4つに増量で。