『恋のためらい愛の罪』/高岡ミズミ

恋のためらい愛の罪 (ラキア・スーパーエクストラ・ノベルズ)

恋のためらい愛の罪 (ラキア・スーパーエクストラ・ノベルズ)

限りなく★2つという評価がしっくりくる作品。典型的な身体から始まるボーイズ・ラブ。スレた風に見せて「オレ、後ろはダメだから!」なんて高らかに宣言してた受たんが攻に開発されて乱れまくるというのも王道。一見すると「や」のつく職業かと思うほど凄みのきいた男前ぶりの攻が実はおカタい職業のエリート、という設定も王道。まぁ別に王道は王道でかまわないのだが、なーんか要所要所ひっかかってしまって、最後には斜め読み状態に……。まずひっかかったのが、男にからまれる受を知り合いのふりをして攻が助けてあげるシーンで、攻が「俺のハニーに何か用か?」と言うところ。序盤でこの台詞……。「な〜んか雲行きあやしいな〜……」と思いながら読み始めていたけど、この時点ですでに私の中で★の評価が決まったも同然な気がしました……。地の文では、体言どめの多用が気になりました。あと、「〜な感じ。」とか「〜は初めて。」とか、「〜だけ。」とか、途中で切られると気になる……。ごくたまに使うのならばむしろいいと思うんだけど、頻発されるとキツイ。あと「跋扈している男たちも」という表現が気になった。魑魅魍魎じゃないんだから、跋扈という表現はいかがなものだろう。

まぁ一番決定的だったのはサラミだった、とだけ言っておこう。サラミ……もうなんのことかわかりますよね。あなたの思ったとおりの行動を受たんは、受たんは……うわー。もうアカン。

王道ど真ん中な上に、ラキア・スーパーエクストラノベル、通称「黒ラキ」作品というわけで終始男ふたりがくんずほぐれついちゃついており、まぁその点ではそれなりに満足……したのかなぁ? よくわからないです。挿絵は蓮川先生。蓮川先生でも萌えられない小説ってあるんだな。勉強になりました。