『夢を見るヒマもない』/山田ユギ

夢を見るヒマもない (シャレードコミックス)

夢を見るヒマもない (シャレードコミックス)

微妙に内容と関係なかったりするけど、絶妙にセンスのよいタイトルをつける山田ユギ先生。このタイトルは内容と関係…あるかな? ビミョーな感じですが、いいタイトルだと思います。
というわけで超・待望の新刊はシャレードから出ました。シャレードの漫画って、依田沙江美てんてーと角田緑てんてーしか持ってなかったりするんだけど、今回ユギたん先生も初めて単行本を出されたんですよね。ほー。かなり前から月刊誌のチラシで山田先生のお名前を拝見してた記憶があるので、てっきりふるーい作品も交えた短編集が出るのかと思ってました。
肝心の内容なのですが、こ…これは私の中で既に伝説となっているルチルの『どうして涙が出るのかな』以来の「山田ユギなのになぜか超イマイチ」作品かも知れない。すごい萌えた、すごい好きだっていうかた、ごめんなさい。私、こういう攻のほうにトラウマのある話ってちょっぴり苦手みたいです。しかも攻、話が始まってすぐどっか行っちゃうし。攻がはじめに身体の関係を持ってたあの先輩の魅力もよくわからないし。受は永井さんと斉藤くんを足して2で割ったようなタイプであんまり好みではないし(永井さんも斉藤くんも大好きだが、足して2で割ると微妙)。書き下ろし漫画で攻が受を「かわいい」と言っているが、この攻がどうしてこの受をそんな風に思うのかイマイチ納得がいかないし〜〜〜。



うおーーー山田ユギなのにどうしてこんなにイマイチなんだ!!!!!



と叫ばずにいられなかった一冊。WHY? なんでだろう? 年下攻じゃないから…? ただそれだけの理由なの…? ユギたんの絵が微妙に変わってしまったから? 自分で自分がわからない…。おああああああ。でもやっぱユギたんの描く攻はかっこいいですねーーー。受はお仕事がんばってて好感持てたし。絵に関しては攻はさほど崩れてないと思うんだけど、受の表情が不安定になったと思うんだよなぁ。BL漫画家の絵が崩れていく、というか変化していくときって、大抵受の顔が崩れていきませんか? 蓮川先生もそういう感じなんだよね…。それかもう受も攻も顔がタテにのびるかですけど。最近海老原由里先生のイラストを見たときも、ちょっとビビりました。好みでなくとも、それなりに安定した絵を描くかただと思っていたのに〜。

山田ユギ先生はボーイズラブ漫画家のなかでも一番好き、と言ってもよいくらいに好きな漫画家さんなので、つい多くを期待しすぎてしまうようです。今回の作品は、テンポよく楽しめてもカップリングにまったく萌えなかったので、★は2.7.四捨五入して★3つ。10月だか11月だかに『誰にも愛されない』の続編が出るようなので、そちらを楽しみにしていたいと思います。

『不器用なサイレント』/高永ひなこ

不器用なサイレント (ビーボーイコミックス)

不器用なサイレント (ビーボーイコミックス)

かわいい作品でした。学園ものっていいですね。進路問題や親へのカミングアウトなんかが絡んでくると現実的になってしまって微妙だけど、この作品は悩みの種類が平和的でいいわぁ。「付き合う・付き合わない」「他の子と仲良くする・しない」「文化祭で忙しい・忙しくない」。これくらいがちょうどいい気がする。ああ若いって素晴らしい。
それにしても、この作品、一冊の単行本のなかで受のロリ化が結構顕著に進んでいませんか? 気のせいか…。まぁかわいいからいいんだけど。ボーイズラブというより、普通の少女漫画のノリに近いのかな? 高永先生は、結構受の引き出しが豊富なかたですよね。攻のパターンはある気がするんですけど、受に関しては今回の子みたいに無口でおとなしかったり、某ガッシュのお兄さんみたいに乱暴ものだったり、はたまた天然さんだったり、ひたすら元気だったり、なかなかバラエティーに富んでいる気がします。いいことですよね。

そのうち攻視点のパターンも読みんでみたいなぁと思いました。続編への期待もこめて、★は4つで。