『Kissing』/高久尚子 原作:佐々木禎子

Kissing (キャラコミックス)

Kissing (キャラコミックス)

素直に可愛いと思える絵柄じゃ〜。この方のカラーイラストが特に好きじゃ〜。挿絵を担当されているとついその小説を手にとってしまう漫画家さんじゃ〜。
なのじゃが、どうにもこうにも漫画となると、ちょっとしたコマ運びのぎこちなさや下半身の描き方やパースの狂いなぞが気になってしまうのじゃ……。台詞の配置の工夫や間のおき方でいくらでもごまかせそうな気がするのじゃが、高久先生は割合真っ向勝負の表現をなさるお方じゃの。
なんて、口で言うだけなら簡単じゃの。わかっておる。わしも伊達に○十年ホモ漫画を読み続けておるわけではない。じゃがしかし、気になるモンは気になるんじゃ。かわゆい絵柄だからこそ、もっともっと素晴らしい描き手さんになるのではと期待せずにおられないのじゃ!
攻の表情が特に魅力的じゃの。受たんは少し可憐さが過ぎるわい。まぶしくて直視できんわ。葛藤してる攻の表情が良いの〜〜〜。ただ、一個一個の表情は良いのじゃが、コマごとに順番に表情の流れを追ってゆくとどうにもつながりが悪く、唐突な印象を受けるのじゃ。このあたりがもっとなめらかになれば、★が4つになるのじゃが……。
一番巧いな〜と思ったのは、受たんと攻のふたりが電話をしているところかの。このシーン、攻の目を描かずに通されてるから、攻の表情が微妙に読み取れないのじゃよ。この演出は高久先生独自のセンスじゃろうと思う。このシーンはオツだったわい……。


はぁ。さんざん言ったついでに、もう一言いいたいのじゃが、良いじゃろうか?
攻のスーツ姿はもっとかっこよく描いてくれぃ。こ・れ・だ・け・は!!!!これだけは頼むわい……。

SとMにわける

某超有名芸人さんのウィキペディアの説明文を熟読していたんだけれど、そこでその芸人さんが「すべての人間をSとMにわけるべきだ」と主張していることを知った。たぶんこれは性癖までは踏み込まないレベルの話だと思うんだけど(つまり性癖というより性格のことか)、これってなんだかやおいっ娘の反射的受攻分類と似ているような気がする。

たぶん私は受=S、攻=Mの組み合わせが好きなんだと思う。受に対してひどすぎる攻は苦手だ。強姦からはじまる恋などもってのほか(と言いつつも昔はその手の話もそれなりに読んだりした)。ただし、「ボーイズラブ」の場合は、受=M、攻=Sでも割合平気かもしれない。やおいに関してはSな攻キャラに惚れることはないなァ。ボーイズラブでも、あくまで「割合」平気というだけで、基本的に私は言葉責めとか苦手。崎谷はるひ先生の攻キャラくらいが限界。和泉桂先生の言葉責めは若干厳しかった。なんていうんだろう、お耽美系言葉責めが苦手なのだ。「もうこんなにしているんですか?(クスクス)」みたいな感じの攻が苦手なのです。あとはAV男優のような言葉責めは無理。岩城さんだって言ってたじゃん。「おまえとこんなAVみたいなセックス耐えられない…っ!」って。そんな感じ。あ、でも例外はある。たとえば、ノリがまるきり男性向け官能小説の水戸泉先生の言葉責めがOKなのは、攻キャラが比較的寡黙だからだと思う。おしゃべりな言葉責めキチクキャラが一番ダメだ……。あ、水戸っちの攻キャラは受たんを女扱いするんだよなー。でもそれも致命症というほどは気にならない。水戸っち先生ご自身が吹っ切れたキャラクターの方で、「官能小説はマラソン」とか断言してらっしゃるからかなァ。その漢らしさにシビれる。あこがれる。